「マクセル・ユア・ポップス」 山平和彦・女郎花の賦
(サブブログ「〜〜まであと○○日」に2010年6月18日記述したものを転載)
中学時代、ラジオ番組を録音したカセットテープの中に、高橋基子の「マクセル・ユア・ポップス」を録音したものがあった。
1976年頃の放送で、山平和彦の『女郎花の賦』を特集していた。
1週間かけて、アルバムの曲を紹介したが、1回か2回は聴き忘れてしまい、A面の曲は2曲しか録音できなかった。
A面
女郎花の賦
壁の絵
B面
四季の恋歌
ソッポをむいたピエロ
いざない
六月の雨
あきらめ
名曲揃い。このアルバムは当時、買おう買おうと思っていながら買いそびれてしまい、そのうち廃盤になってしまった。
中学時代は「ソッポをむいたピエロ」が特にお気に入りだったが、今、聴き返してみると、「いざない」「六月の雨」のポップさにびっくり。特に「六月の雨」はファンキーな演奏で、エレキギターの16ビートのカッティング、間奏のベース・ソロが最高にかっこいい。
A面のシリアスな曲、B面の「あきらめ」も胸にしみる。アルバム自体、このまま埋もれさせるのはおしい。
是非CD化して欲しいし、それとともに再評価されるのが望まれる。
今世紀に入ってから知ったのだが、山平はこのアルバムの発表後、引退していたそうである。
引退した理由は不明だが、もしこのアルバムが売れもせず、評価もされなかったことが原因なら、その無念さは計りしれない。
(アーティストとして、やれることをやりつくしたことが、引退の原因という可能性もあるが。)
これだけの傑作アルバムが、存在すら知られていないというところに、日本の音楽をめぐる状況の貧しさが感じられる。
山平は、森達也が製作したドキュメンタリー「放送禁止歌」がきっかけとなり、歌手活動を再開したそうだが、それから数年後(2004年)、交通事故にあい亡くなられたそうである。アーティストやクリエイターにとっては、才能だけでなく、運という本人にはどうにも出来ないものが大きな影響を与えるということを感じさせ、切なくなってくる。
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