頭脳警察「仮面劇のヒーローを告訴しろ」

頭脳警察「仮面劇のヒーローを告訴しろ」

仮面劇のヒーローを告訴しろ

仮面劇のヒーローを告訴しろ

[rakuten:hmvjapan:10295580:detail]


70年代に発売された頭脳警察のアルバムは、「セカンド」から「悪たれ小僧」までみな好きなのだが(「ファースト」はB面に不満があるので、今ひとつの出来で好きと言いきれない)、完成度という点では「セカンド」「仮面劇のヒーローを告訴しろ」「悪たれ小僧」の3枚が甲乙つけがたい出来で傑作だと思う。
そして一番好きなアルバムが、この「仮面劇のヒーローを告訴しろ」である。
頭脳警察のファンは、「ファースト」「セカンド」が好きなファンが多いらしく、それらのファンには「仮面劇のヒーローを告訴しろ」はポップすぎるとして、あまり評判がよくない気もする。
私の場合、1981年に発表された「KISS」も、アルバムの出来自体は悪くなく、けっこう好きなので、ポップであるということはマイナス評価にはならない。
パンタ自身、ハードロッカーとしてのヘビーさと、作曲家としてのポップ・センス、2つのちがった魅力をもっていて、私は両方とも気にいっている。
「仮面劇のヒーローを告訴しろ」も、ロック・スピリットとポップなセンスを両方感じるので、むしろポップである点は高評価の要因となっている。


「サード」の頃の頭脳警察がパンクロックだとすると、このアルバムでの頭脳警察は、パンクムーブメントの後に出てきた、ポリス、ニューウェイヴといった印象もする。
ポリスのシンプルだが高度な音楽性とも共通性があるし、ストリングスをとりいれたアレンジは、のちのニューウェイヴっぽさも感じさせる。
頭脳警察を、のちに出てきたパンクやニューウェイヴと比較すること自体適切ではないかもしれないが。)


シンプルでタイトな演奏、アレンジのセンスの良さが気にいっている。
ギター、ベース、ドラムとも腕利きのスタジオミュージシャンらしいので、それまでのアルバムよりは音楽的な魅力が増えていると感じる。

一番最初に聴いたロック(っぽいロック)アルバムだったので、余計に思い入れがつよいともいえる。(憂歌団喜納昌吉は聴いていたが、これらはロックっぽいロックとは言えないため。)


私的名盤選 FILE No.012 頭脳警察「仮面劇のヒーローを告訴しろ」