頭脳警察「誕生」

「誕生」

誕生

誕生

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70年代に発売された頭脳警察のアルバムの中ではもっとも地味な作品。小品集のような趣き。
パンタの作曲者、ミュージシャンとしての才能は感じさせる。
3rdアルバムの「時々吠えることがある」にも通じる文芸的な作品「悲しみにつつまれて」「心の落ちつき失せて」。
「前衛劇団モータープール」と同路線の「あなた方の心の中に黒く色どられていない処があったらすぐ電話して下さい」。
お遊び的な要素のつよい「やけっぱちのルンバ」「メカニカルドールの悲劇」(この路線は次作に収録された「プリマドンナ」に継承された)。
クラシックをとりいれた「鹿鳴館のセレナーデ」。ジャンル分けが難しい「無冠の帝王」。
曲はバラエティにとんでいるから、短編集を読むようなかんじで聴くのがいいかもしれない。
「詩人の末路」は文芸色のつよい作品の中では一番の傑作だと思う。
「もうあきた」は地味ではあるが、ポップな名曲。
ディキシーランドジャズ風の「破滅への招待」も曲・アレンジともよくできた傑作。
個人的には「詩人の末路」「もうあきた」「破滅への招待」がこのアルバムのベスト。